酪酸ナトリウムと放射線および温熱併用によるアポトーシスの増強効果 : そのメカニズム

  • 魏 政立
    富山大学大学院医学薬学研究部放射線基礎医学講座
  • 趙 慶利
    富山大学大学院医学薬学研究部放射線基礎医学講座
  • マリアム A. ハッサン
    富山大学大学院医学薬学研究部放射線基礎医学講座
  • 近藤 隆
    富山大学大学院医学薬学研究部放射線基礎医学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Mechanisms Involved in Enhancement of Apoptosis by Radiation or Hyperthermia in Combination with Sodium Butyrate

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抄録

ブチル酸 (酪酸) ナトリウム (SB) は食品由来の複合糖質から酪酸菌の発酵によって大腸内に生じることが知られている. 最近の研究で, 分化誘導作用, ヒストン脱アセチル化酵素阻害作用およびアポトーシス誘導作用等, SBの多様な薬理作用が判明し, 治療応用に関する臨床試験も行われている. 著者らの研究ではSBと放射線や温熱との併用は, ヒト結直腸癌細胞株HCT 116細胞に細胞増殖停止効果およびアポトーシス誘導を増強すること, その機序としてミトコンドリアを介在するアポトーシスの内因性経路が活性化することを示した. この総説では併用時の増強機構について考察する.

収録刊行物

  • Thermal Medicine

    Thermal Medicine 26 (2), 43-50, 2010

    日本ハイパーサーミア学会

参考文献 (81)*注記

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