口腔扁平上皮癌における分子標的薬CetuximabのTS-1増強効果についての基礎的研究

  • 原田 耕志
    山口大学大学院医学系研究科上皮情報解析医科学歯科口腔外科
  • 原田 豊子
    山口大学大学院医学系研究科上皮情報解析医科学歯科口腔外科
  • 上山 吉哉
    山口大学大学院医学系研究科上皮情報解析医科学歯科口腔外科

書誌事項

タイトル別名
  • Basic research on the combined effect of molecular-targeted agent Cetuximab and S-1 on oral squamous cell carcinomas

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抄録

本研究では口腔扁平上皮癌に対するCetuximabのTS-1増強効果とそのメカニズムについて検討した。口腔扁平上皮癌細胞株HSC2,HSC3,HSC4をCetuximab(1μg/ml)と5-FU(1μg/ml)の併用にて処理したところ,それぞれ単独と比較して,有意な細胞増殖抑制効果,ヘキスト染色による顕著なDNA断裂化,さらにウエスタンブロット法によるp-EGFR,p-Akt,thymidylate synthase(TS)の発現減弱が見られた。またヌードマウス背部皮下にHSC2を移植後,Cetuximab(20mg/kg/日,2回/週,3週間腹腔内投与)とTS-1(6.9mg/kg/日,7回/週,3週間経口投与)との併用により顕著な抗腫瘍効果の増強が認められ,残存腫瘍においてTUNEL法によりTUNEL陽性細胞の増加が見られ,免疫組織染色によりp-Akt,TSの発現減弱が見られた。以上の結果から,CetuximabはTSの発現を抑制することによりTS-1の効果を増強する可能性が示唆された。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 39 (3), 317-324, 2013

    日本頭頸部癌学会

参考文献 (2)*注記

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