ベセスダ方式準拠細胞診報告様式による標本の適正に関する検討

• 森村 豊

  (財) 福島県保健衛生協会 北福島医療センター婦人科

• 千葉 聖子

  (財) 福島県保健衛生協会

• 荒木 由佳理

  (財) 福島県保健衛生協会

• 添田 喜憲

  (財) 福島県保健衛生協会

• 塚原 孝

  (財) 福島県保健衛生協会

• 柴田 眞一

  (財) 福島県保健衛生協会

• 古川 茂宣

  福島県立医科大学医学部産科婦人科学講座

• 添田 周

  (財) 福島県保健衛生協会 福島県立医科大学医学部産科婦人科学講座

• 西山 浩

  福島県立医科大学医学部産科婦人科学講座

• 藤森 敬也

  福島県立医科大学医学部産科婦人科学講座

書誌事項

タイトル別名

• Adequacy of cervical cytology by The Bethesda System cell number in specimens in cervical cancer mass screening
• —集団検診検体における細胞採取量について—

抄録

目的 : ベセスダ方式に準拠した細胞診報告様式では, 適正標本は 8,000 個以上の扁平上皮細胞の採取が条件である. 子宮頸がん集団検診標本でこの条件に関する検討を行った.<br>方法 : 2008 年の子宮頸がん集検の標本 69,584 例について, ベセスダ方式による不適正例数を算出し, 従来の独自の基準で判定した不適正率と比較した. 2004 年に, 従来基準で「細胞数が少なく不適正だが評価可能」としていた 120 例でその後, 重篤な病変が検出されていないか調査した. その従来の不適正だが評価可能とした症例の細胞数について計測した.<br>成績 : ベセスダ方式で不適正と判定された例は 590 例, 0.85%で従来方式の 77 例, 0.11%に比して有意に不適正率が高かった. 不適正だが評価可能とした 120 例で, その後の受診が確認され, 1 例のみ軽度異形成が検出された. 不適正だが評価可能とした 120 例の細胞数の中央値は 500 個であった.<br>結論 : 子宮頸がん集検の検体に, ベセスダ方式を厳格に適応すると, 不適正標本を増加させ実務上問題がある. 暫定的に一定数以上の細胞数の検体を「不適正だが評価可能」とし, 今後, 細胞採取者に適正な検体を提出するよう十分な教育が必要である.

収録刊行物

• 日本臨床細胞学会雑誌

  日本臨床細胞学会雑誌 51 (2), 110-115, 2012

  公益社団法人　日本臨床細胞学会

キーワード

• Cervical cancer screening
• Number of squamous cells
• Rate of unsatisfactory smears
• Unsatisfactory but being able to evaluate

詳細情報

• CRID: 1390282679672928384
• NII論文ID: 130004513123
• DOI: 10.5795/jjscc.51.110
• ISSN: 18827233
• ISSN: 03871193
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可