腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術後の急性腎傷害の発生頻度と特徴についての考察 ~開腹人工血管置換術との比較~

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  • Characteristics of postoperative acute kidney injury (AKI) after conventional open vs. endovascular repair of infrarenal abdominal aortic aneurysm

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抄録

【目的】ステントグラフト内挿術(endovascular aneurysm repair, EVAR)後の急性腎傷害(acute kidney injury, AKI)の頻度と特徴を調べ,開腹人工血管置換術(open repair, OR)と比較する。【方法】腹部大動脈瘤の予定手術を対象とし,EVAR群70例とOR群77例についてrisk, injury, failure, loss and end stage kidney disease(RIFLE)criteriaを用いた術後AKIの頻度と特徴,転帰を後方視的に分析した。【結果】EVAR群はOR群より高齢で,手術時間,術後人工呼吸期間,ICU滞在および在院日数が短く,術後AKIは5例(7.1%)に発生し,OR群の10例(13%)と有意差はなく(P=0.28),院内死亡率にも差はなかった。EVAR群はOR群より術前の血清クレアチニン値が高く,術前からの上昇幅が0.5 mg/dl以上の日数が長かった。腎動脈遮断は術後AKIの危険因子で,AKIは術後人工呼吸の危険因子であった。【結論】EVAR後AKIの頻度はOR後と差はないが,その期間は遷延している。

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