シベレスタット使用中止による敗血症性急性肺傷害症例の予後変化

  • 小林 秀嗣
    東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科集中治療部
  • 内野 滋彦
    東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科集中治療部
  • 遠藤 新大
    東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科集中治療部
  • 岩井 健一
    東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科集中治療部
  • 齋藤 敬太
    東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科集中治療部
  • 讃井 將満
    東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科集中治療部
  • 瀧浪 將典
    東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科集中治療部

書誌事項

タイトル別名
  • Impact of withdrawing sivelestat from clinical practice on outcome of patients with sepsis-induced acute lung injury

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抄録

【目的】急性肺傷害に対するシベレスタット投与は,欧米での研究で長期予後の悪化が示された。当施設は2007年より使用を原則中止し,今回この治療方針の変更が敗血症性急性肺傷害の予後に影響していないかを検証した。【方法】2007年1月前後21カ月間に,敗血症性急性肺傷害の診断で24時間以内に人工呼吸を要した成人ICU症例を前期群64例,後期群36例で比較した。【結果】両群の患者背景に差はなかった。シベレスタットは前期群54例(84.4%),後期群4例(11.1%)に使用された。28日ventilator free days,ICU滞在および入院期間,院内死亡率に有意差はなかったが,人工呼吸期間は後期群で有意に短かった。院内死亡率に対する多変量解析では,前期群に比べ後期群のodds ratioが0.269(P=0.028)であった。【結論】シベレスタット使用中止で敗血症性急性肺傷害の予後は悪化しなかった。

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参考文献 (15)*注記

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