齲歯から生じたガス産生を伴う深頸部膿瘍の1例

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タイトル別名
  • A Case of Odontogenic Infection Causing Neck Gas Gangrene

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抄録

患者は40歳,男性.2日前より発熱,食欲低下,頸部腫脹にて他院通院中であった.意識レベル低下が出現し,救急車にて来院.救急外来で突然呼吸停止し,経鼻挿管を施行した.両頸部に発赤,腫脹を認め,入院時CTにて全頸部にガス像を認めた.ガス産生を伴う深頸部膿瘍による敗血症性ショックと診断しノルエピネフリンを0.3~0.9γ投与して全身管理し,全身状態が安定した入院後3日目の造影CTにて椎前間隙に膿瘍を認めたため,入院後3,5日目に切開排膿術を施行した.起炎菌は緑膿菌,嫌気性グラム陰性球菌の混合感染で,DRPM,CLDMを使用し,32日目まで洗浄処置を要した.64日目に右下顎智歯抜歯術を施行した.自験例は右下顎智歯の歯性感染症が原因で生じたガス産生を伴う深頸部膿瘍で,造影CT検査にて膿瘍形成を早期に発見し,至適な切開,抗菌薬の使用にて救命することができた.

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