術前流入血管の評価が難しかった肺動静脈瘻の1例

  • 角岡 信男
    愛媛大学大学院医学系研究科臓器再生外科学
  • 加洲 保明
    愛媛大学大学院医学系研究科臓器再生外科学
  • 宮内 勝敏
    愛媛大学大学院医学系研究科臓器再生外科学
  • 杉下 博基
    愛媛大学大学院医学系研究科臓器再生外科学
  • 谷川 和史
    愛媛大学大学院医学系研究科臓器再生外科学
  • 河内 寛治
    愛媛大学大学院医学系研究科臓器再生外科学

書誌事項

タイトル別名
  • A SURGICAL CASE OF PULMONARY ARTERIOVENOUS FISTULA HARDLY EVALUATIVE OF PREOPERATIVE INFLOW BLOOD VESSELS

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抄録

症例 : 37歳, 女性. SLE経過観察中に胸部レントゲン, CTにて肺動静脈瘻を指摘された. 増大傾向のため当科に紹介された. 全身にチアノーゼを認め, CTおよび血管造影では, 右S6に存在し一部葉間に突出する最大径50mmの瘻で, A6・V6が拡張し, 独立した流入・流出血管と考えられた. 患者が若年者であったため核出術の方針とした. 手術所見では瘻は葉間に突出しており, 血流の乱流が観察された. まず太いA6およびV6を露出し根部で結紮したが, 瘻は縮小せず静脈血の噴出を認め流入血管が他にもあると考えられた. 核出術を続けるが出血を認めるため, 核出術のみは困難と判断し, S6の区域切除術を行った. 切除標本ではS6に対しA7からの分岐血管を認めるなど区域間の枝が瘻に入り込んでいた. 術後は合併症もなく, チアノーゼは消失し血液ガスも正常化した. まとめ : 流入血管が太く大きな瘻の症例を経験した. 流入血管の術前評価が難しく数本存在しており, 区域切除術で安全で確実に手術を行えた.

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参考文献 (7)*注記

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