妊娠後期にMeckel憩室によるイレウスをきたした1例

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  • A CASE OF INTESTINAL OBSTRUCTION CAUSED BY MECKEL'S DIVERTICULUM DURING PREGNANCY

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抄録

22歳, 妊娠32週6日の妊婦. 平成17年10月19日午前2時ごろ腹痛を主訴にかかりつけの産婦人科を受診. 腸閉塞の疑いで当院産婦人科へ搬送された. 徐々に腹痛が増悪し児心拍の低下 (rate decelaration) を認めたため緊急手術となった. 帝王切開後に腹腔内を検索すると回腸末端から口側10cmに回腸のループが形成され, さらに口側40cmにMeckel憩室を認めいずれも右卵巣・卵管に癒着しておりその口側腸管は著明に拡張していた. 癒着を剥離しMeckel憩室を切除した. 術後経過は良好であり12病日に退院した. 妊娠中のイレウス症状は妊娠に伴う諸症状と紛らわしいため診断に苦慮することも多い. しかし診断・治療の遅れは母児双方の生命予後に大きく影響するため絞扼性イレウスと診断されれば手術治療が原則である. 妊娠中にMeckel憩室によるイレウスを発症した症例は稀であり若干の文献考察を加え報告する.

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参考文献 (15)*注記

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