膵中央切除を施行した膵の脂肪置換合併内分泌腫瘍の1例

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  • A CASE OF PANCREATIC ENDOCRINE TUMOR WITH FATTY REPLACEMENT TREATED WITH A MIDDLE PANCREATECTOMY

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抄録

症例は54歳,女性.腹部CTで偶然発見された膵体部の内分泌腫瘍の診断で当科紹介.入院後精査にて,転移性肝腫瘍を伴っていたが,膵体部の腫瘍より尾側の膵に実質組織や主膵管を認めず,膵体尾部欠損合併膵内分泌腫瘍の診断.治療方針として,膵腫瘍は切除を行い,転移性肝腫瘍は肝動注療法を中心とした化学療法を行う方針とした.手術所見では,膵体部に腫瘍を認め,それより尾側は分厚い脂肪組織に置換し,膵実質・主膵管を認めなかった.膵中央切除術を行い,膵の消化管再建は行わなかった.組織学的には,高分化型神経内分泌癌であり,膵腫瘍の尾側は,ほぼ脂肪置換しており,ラ島を散在性に認めたが,膵外分泌細胞は認めなかった.術後の膵内分泌機能は良好で,耐糖能異常を認めなかった.膵体尾部脂肪置換を合併した膵内分泌腫瘍に対して膵中央切除術を行い,尾側膵の消化管への再建を行わなかった極めて稀な症例を経験したので報告する.

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