術後5年間生存中である膵未分化癌(径7cm)の1例

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  • A case with undifferentiated carcinoma of the pancreas surviving five years

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抄録

膵未分化癌は,稀な組織型であり,その予後は不良である.われわれは,根治切除および補助化学療法を行い,術後5年以上生存中の膵未分化癌の1例を経験した.症例は74歳男性.2005年8月,左季肋部痛を主訴に当科を受診し,精査目的で入院となった.腹部CTで膵尾部に7cm大の内部低濃度で辺縁に造影効果を伴う腫瘍を認め,MRCPで尾部膵管の途絶を認めた.膵尾部癌と診断し,膵尾部切除術を施行した.胃,脾,横行結腸,左腎皮膜への浸潤を認め,合併切除を施行した.病理所見では,層構造をとる異型細胞に,一部,扁平上皮への分化をうかがわせる所見を認め,免疫染色では,CEA,CA19-9,Cytokeratin19,Vimentin陽性,Cytokaratin7,8陰性を認め,膵未分化癌と診断された.術後1年間Gemcitabine,S-1併用療法を施行し,術後5年11カ月後現在,無再発生存中である.

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参考文献 (13)*注記

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