群馬県下における自己血輸血の現状と問題点

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  • CURRENT STATE OF AND CLINICAL ISSUES WITH AUTOLOGOUS BLOOD TRANSFUSION IN GUNMA PREFECTURE, JAPAN

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抄録

群馬県合同輸血療法委員会では,2011年1年間に群馬県赤十字血液センターから輸血用血液製剤の供給を受けた176施設を対象に自己血輸血に関するアンケートを行い,その実態を把握し,改訂第3版貯血式自己血輸血の概要と実際(改訂ガイドライン)と比較し,問題点を明らかにした.回答した103施設のうち自己血輸血を行った施設は35施設(34.0%)で,病床数中央値は212床,最頻値は100~199床の施設であり自己血輸血は小規模施設でも日常診療として行われていた.自己血採取マニュアルは94.3%で作成していたが,副作用対策マニュアルは,48.6%にしかなかった.穿刺は外来(48.6%)もしくは病棟(25.7%)で行われ,54.3%の施設で主治医が行っていた.54%の施設では穿刺時の消毒が改訂ガイドラインに従っていなかった.輸血の際,検査を行わない施設を27.3%認めた.鉄剤の使用は考慮されていたが,26.0%の施設で静注製剤を第1選択としていた.多岐にわたる問題点が明らかになった.より安全な自己血輸血を実現するためには合同輸血療法委員会を中心に様々な力を借りた積極的な取り組みが必要である.

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