微小粒子を用いて実現する内耳ターゲティング療法

DOI
  • 坂本 達則
    京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 堀江 理恵
    京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科 京都大学再生医科学研究所
  • 田畑 泰彦
    京都大学再生医科学研究所
  • 中川 隆之
    京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 伊藤 壽一
    京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科

書誌事項

タイトル別名
  • INNER EAR DRUG DELIVERY USING NANO/MICRO PARTICLES

抄録

内耳に対する薬物治療は, 全身投与でも局所投与でも効率が悪く, これが内耳障害の治療が困難である理由の一つである。全身投与による内耳選択的ターゲティングは実現されていないが, ステロイドを含有したステルス型ナノパーティクルを用いることで, モルモットの内耳局所でのステロイド濃度が向上し, 騒音難聴に対する治療効果が高まった。局所投与, 特に経正円窓膜投与について, 生体吸収性ポリマーによるマイクロパーティクルを用いてリドカインをモルモット内耳に徐放することができた。また, ゼラチンハイドロゲルを用いてインスリン様細胞成長因子1 (IGF-1) を持続投与することで, げっ歯類の内耳障害の治療ができた。これらの動物実験を踏まえて, ヒトの急性感音難聴に対するIGF-1徐放の治療効果を検討する臨床試験が行われている。第I/II相試験は終了し, 現在治療効果を鼓室内ステロイド投与と比較する第II相試験が行われている。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282679929472768
  • NII論文ID
    130004546471
  • DOI
    10.11453/orltokyo.55.s11
  • ISSN
    18836429
    03869687
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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