-
- 松井 広志
- 大阪市立大学大学院文学研究科
書誌事項
- タイトル別名
-
- Material Things/Objects in Popular Culture
- ポピュラーカルチャーにおけるモノ : 記号・物質・記憶
- ポピュラーカルチャー ニ オケル モノ : キゴウ ・ ブッシツ ・ キオク
- Signs, Materiality, and Memory
- 記号・物質・記憶
この論文をさがす
抄録
近年, デジタルメディアによるコンテンツ受容に関して, 「物質」の対概念としての「情報」そのものに近い消費のあり方が伺える. しかし, ポピュラーカルチャーの現場では, 物質的な「モノ」という形式での受容が依然として観察される. ここには「ポピュラーカルチャーにおけるモノをめぐる人々の活動」という論点が潜んでいる. 本稿の目的は, この受容の論理を多面的な視点から, しかも日常的な実感に即して読み解くことである. 本稿ではその動向の典型を, ポピュラーカルチャーのコンテンツを題材としたキャラクターグッズやフィギュア, 模型やモニュメントに見出し, これらを「モノとしてのポピュラーカルチャー」と理念的に定義したうえで, 3つの理論的枠組から捉えた.<br>まず, 従来の主要な枠組であった消費社会論から「記号」としてのモノの消費について検討した. 次に, 空間的に存在するモノを捉える枠組として物質文化論に注目し, とくにモノ理論から「あるモノに固有の物質的な質感」を受容する側面を見出した. さらに, モノとしてのポピュラーカルチャーをめぐる時間的側面を, 集合的記憶論における「物的環境による記憶の想起」という枠組から捉えた. これらの総合的考察から浮かび上がった「モノとしてのポピュラーカルチャー」をめぐる人々の受容の論理は, 記号・物質・記憶のどれにも還元されず, 時間的・空間的に重層化した力学の総体であった.
収録刊行物
-
- 社会学評論
-
社会学評論 63 (4), 503-518, 2013
日本社会学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282679272006912
-
- NII論文ID
- 130004549956
- 40019720062
-
- NII書誌ID
- AN00109823
-
- ISSN
- 18842755
- 00215414
-
- NDL書誌ID
- 024721103
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可