2012年夏季の富士山頂および山麓における大気中揮発性有機化合物の挙動

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タイトル別名
  • Behavior of volatile organic compounds in the ambient air at the top and foot of Mt. Fuji during summer, 2012

抄録

2012年の7、8月にそれぞれ一週間程度、富士山頂および南東麓において、26種の人為起源揮発性有機化合物 (AVOCs; 塩素化炭化水素17種、単環芳香族炭化水素6種類、二環芳香族炭化水素3種類)の連続採取を行った。富士山頂における総AVOCs濃度は、同時観測を行った富士山南東麓の1/2未満、新宿の1/10未満と低いことがわかった。富士山頂における塩素化炭化水素濃度を、自由対流圏高度に位置する山岳域 (Mauna Loa: 3397 m, Summit: 3238 m) と比較すると、四塩化炭素濃度は同程度であった。一方、ジクロロメタン濃度はこれらの山岳域の4倍以上の濃度であった。ジクロロメタンは1 ppbvを超える高濃度が夜間に観測されたが、このときにはベンゼンも高濃度であった。このときは、オゾン濃度の上昇と水蒸気混合比の減少を伴っており、後方流跡線解析から海洋大気の成層圏下層または対流圏上層からの流入を示していた。トルエン、m,p-キシレン、ナフタレンは日中濃度が高く、夜間低いという昼夜変動を示した。ナフタレンは谷風輸送による国内汚染の可能性が示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204617086336
  • NII論文ID
    130004554464
  • DOI
    10.11298/taiki.49.34
  • COI
    1:CAS:528:DC%2BC2cXosleksLs%3D
  • ISSN
    21854335
    13414178
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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