公共調達における最低制限価格引き上げの理論的帰結:不連続な均衡解のもたらす技術優位性の均質化

  • 鈴木 貴大
    東京大学大学院 工学系研究科社会基盤学専攻
  • 堀田 昌英
    東京大学大学院 新領域創成科学研究科国際協力学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • THEORETICAL CONSEQUENCES FROM RAISING LOWER LIMITS IN PUBLIC PROCUREMENT: DISCONTINUOUS EQUILIBRIA AND HOMOGENIZATION OF TECHNICAL COMPETITIVENESS

抄録

近年,建設投資の減少による建設業界の過当競争を問題視して産業保護の目的から全国で最低制限価格を引き上げた結果,くじ引き入札が多発し,入札の意義が問われている.本研究は,オークション理論を通して最低制限価格の運用に対する政策的含意を与えることを目的とした.予定価格,最低制限価格を周知した対称入札について均衡解を示し,最低制限価格の引き上げが技術力の優劣に正逆する恩恵を施すという副作用を示した上で,比較対象として入札者の技術水準の反映が極度に非効率的なメカニズムを提示し,現行の施策がこれに劣ることを示した.また,(1) 非対称入札への拡張によって技術力の劣る企業ほど薄利で入札すること,(2) 最低制限価格の事前公表がない場合をモデル化し,ある条件の下では上記の歪んだ恩恵配分が依然として存在することを示した.

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参考文献 (15)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680331417984
  • NII論文ID
    130004560106
  • DOI
    10.2208/jscejcm.70.11
  • ISSN
    21856605
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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