気候変動による砂浜侵食の地域別被害計測並びに適応政策の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Examinationof Regional Impacts of Adaptation Policies and Sand Erosion Damage due to Climate Change
  • キコウ ヘンドウ ニ ヨル スナハマ シンショク ノ チイキ ベツ ヒガイ ケイソク ナラビニ テキオウ セイサク ノ ケントウ

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抄録

地球温暖化に伴う海面上昇の影響は地域によって異なることが予測されており,現在と比べて65cm以上になる場合,砂浜が完全に消滅する地域も存在する.したがって,砂浜消失による経済的被害額や適応政策の適応効果の算出を試みた場合,その地域差が明示的となる評価手法の採用が望ましい.これに対して筆者らは先行研究にて,旅行費用法によりレクリエーション需要関数を導出し,また,これに整合的な効果関数の特定化を図った応用一般均衡モデルを構築し,被害評価を試みている.本論文ではさらにこれらを発展させ,海面上昇予測シナリオ別に各地域の砂浜消失による被害額,並びに,過去の代表的な養浜事業を元に仮想的な適応政策を設定し,その効果を都道府県別の費用便益比として算出した.この数値実験の結果,各都道府県の砂浜被害額は海面上昇30cmの場合,約0.8億円/年(徳島県)から約60.0億円/年(沖縄県),65cmの場合,約1.6億円/年(徳島県)から約72.5億円/年(沖縄県)と大きく地域差が存在し,また,砂浜の存在する39都道府県のうち,海面上昇30cmでは17地域,海面上昇65cmでは20地域において同適応政策の有効性が確認された.

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