浸潤性膵管癌切除後6年間無再発であった異時性浸潤性膵管癌の1例

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タイトル別名
  • A Case of Metachronous Pancreatic Carcinoma with No Recurrence for 6 Years after Pancreatectomy

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抄録

症例は78歳の男性で,2003年10月,膵尾部浸潤性膵管癌に対し膵体尾部切除術を施行した.術後補助化学療法としてGemcitabine(1,000mg/m2/week)療法を3コース施行され,その後Tegafur-uracil(300mg/day)を4年9か月間内服した.術後6年間無再発であったが,2009年11月の造影CTにて造影効果に乏しい13mm大の腫瘤性病変を膵頭部に指摘された.膵管擦過細胞診,超音波内視鏡ガイド下針生検にてadenocarcinomaと診断された.遠隔転移を認めず,同年12月に残膵全摘術が施行された.浸潤性膵管癌の再発としては経過が長く,膵断端も悪性所見は陰性であったため,残膵に発生した異時性膵癌と診断された.浸潤性膵管癌は予後が不良で,長期生存に加え,異時性に膵癌を発症する症例は極めてまれと考えられるが,長期生存症例に対し,本疾患を念頭に置くことは重要である.

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