「こころ」の発達におけるトリプトファン代謝酵素Tryptophan 2,3-dioxygenase の生理的役割

DOI
  • 金井 将昭
    旭川医科大学 医学部 脳機能医工学研究センター 大阪大学大学院 医学系研究科 生化学・分子生物学講座 分子再生医学
  • 中村 敏一
    大阪大学 先端科学イノベーション クリングルファーマ再生創薬共同研究部門
  • 船越 洋
    旭川医科大学 医学部 脳機能医工学研究センター 大阪大学大学院 医学系研究科 生化学・分子生物学講座 分子再生医学

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抄録

21世紀に入り、ヒトの情動障害や伴侶動物の行動異常は、社会活動に影響を与える疾患として益々重要性を増している。古くから、トリプトファン (Trp) 代謝が情動に影響することが知られているが、その分子機序の詳細は不明である。私達はTrp代謝からみた精神神経機能の解析を行うため、Trp代謝の中心酵素であるTryptophan 2,3-dioxygenase (TDO) の遺伝子欠損マウスを作製し、Trp代謝ならびに情動行動におけるTDOの役割を解析した。その結果、TDOは全身ならびに脳内Trp代謝の中心酵素として働き、不安行動ならびに海馬等の神経新生を修飾する生理的な調節因子であることが明らかになった。

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