物理療法業務の実態調査:物理療法施行における基準について  [in Japanese]

Access this Article

Author(s)

Abstract

【はじめに】当院物理療法施行において、患者数の増加、治療部位の増加といった問題に対応すべく他施設での物理療法業務を把握するためアンケート調査を実施し、第10回日本物理療法学会において、施設内にある物理療法機器の中に使用されていない機器が存在する実状を報告した。今回、物理療法施行の基準を設けることに関し調査を行ったので報告する。【方法と対象】神奈川県内の78施設をランダムに抽出、平成14年5月に郵送法によるアンケート調査を実施、理学療法施設基準IIを取得している施設を有効回答とした〔有効回答率52.56%(41施設)〕。調査内容は(1)医師からの指示に物理療法の具体的開始設定内容があるか、(2)医師からの指示に物理療法の最大強度の指示があるか、(3)リハビリテーション部門で物理療法施行時間・強度について設定基準を設けているか、(4)設定内容の変更は誰が行っているか、(5)設定内容の変更についての基準の有無、(6)外来物理療法の終了時期について施設内での統一した基準の有無とし、比率・内容分析を行った。対象者には適切な説明のもと、発表についての同意を得た。【結果】(1)について具体的な開始時設定内容があると回答したのは46%で、ないと回答したのは34%であった。(2)について医師から最大強度の指示があると回答したのは34%、ないと回答したのは59%であった。(3)について設定基準を設けているとしたのは32%で、具体的内容は腰椎牽引で15kg開始、体重1/2まで、15分施行という回答が最も多かった。(4)について設定の変更は医師からの指示としたのが66%と最も多く、次いでコメディカルスタッフの判断としたのが54%であった。(5)について設定内容の変更の基準があるとしたのは7%でその内容として、具体的数値としての基準を上げた施設はなく、医師またはPTの裁量内で行うといった回答が多かった。また(6)の終了時期に関して施設内で統一した基準があると回答したのは15%、ないと回答したのは83%であった。【考察】医師からの指示の内容に具体的開始時設定、最大強度の指示がないというのは、各患者の症状に合わせPTを始めとするコメディカルスタッフが柔軟に対応できるよう裁量権が与えられていると考えられる。しかし設定基準、変更の程度に関して決まりがないことは、治療者の経験や勘に頼ることが多いことを表し、物理療法の強度、時間などに一貫性がなく、過剰な治療負荷、期間を設けてしまう原因になりかねない。また外来物理療法の終了時期についても、慢性疼痛患者の社会復帰を促すというのであれば、施設内での統一した基準作りは今後の課題となるのではないか。【まとめ】物理療法施行に際し一定の基準がないことは、物理療法におけるEBM確立のための妨げになると考えられる。当院でも今後、物理療法の知識の再確認とともに、設定基準の検討を行う必要性があると考えられた。

Journal

  • Congress of the Japanese Physical Therapy Association

    Congress of the Japanese Physical Therapy Association 2002(0), 776-776, 2003

    JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION

Codes

Page Top