ストレッチポールを用いた骨盤リアライメントエクササイズ(PelCon)は健常者の下肢発揮筋力の左右差を減少させる

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抄録

【目的】ストレッチポール(LPN社)を用いた骨盤コンディショニング(PelCon)(平沼 2008)は骨盤非対称アライメントの対称化を目的とするエクササイズであるが、その骨盤荷重伝達障害(Hungerford 2004)に及ぼす効果は検証されていない.本研究の目的は、PelConの下肢発揮筋力の対称化に及ぼす効果の有無を、定量的手法を用いて検証することとした.研究仮説は「PelConは下肢発揮筋力の左右差を減少させる」であった.<BR><BR>【方法】対象者の取込基準は、健常な男女22-62歳であり、除外基準は急性腰痛、手術歴、内科的リスク、脳障害、精神障害、コミュニケーション障害がある者とした.ヘルシンキ宣言の精神に基づき作成された同意書に署名した32名を被検者とした.<BR> 本研究は無比較介入研究であり、介入はPelConとした.観察因子は下肢発揮筋力であり、実効筋力測定装置(RCCM社)を用いて介入前・後に測定された.被検者は仰臥位、膝屈曲90度、股関節屈曲45度で、固定された足部において上下左右に最大努力の等尺性筋力発揮を行った.データはFEMSプログラム(RCCM社)(奈良 2008)にて、股関節、膝関節および大腿部二関節筋の3対6筋の組合せパターンである6方向(A:膝伸筋・股伸筋・大腿直筋、B: 膝伸筋・股屈筋・大腿直筋、C:膝屈筋・股屈筋・ハムストリングス、D:膝屈筋・股伸筋・ハムストリングス、E:膝伸筋・股伸筋・ハムストリングス、F: 膝屈筋・股屈筋・大腿直筋)の発揮筋力の左右差を解析した.統計学的検定には対応のあるt検定を用い、有意水準はP<0.05とした.<BR><BR>【結果】下肢発揮筋力の左右差(介入前/後)はA方向(118N±103N/68N±53N、p=0.006)、B方向(97N±85N/52N±44N、p=0.004)、C方向(98N±81N/61N±47N、p=0.009)、D方向(81N±84N/54N±52N、p=0.027)、E方向(120N±101N/74N±53N、p=0.008)、F方向(85N±68N/55N±39N、p=0.012)において、介入後に有意な減少が認められた.<BR><BR>【考察】本研究においてペルコンは6方向の下肢発揮筋力の左右差を減少させた.今回筋力発揮を増強するエクササイズは実施しておらず、この効果はPelConによる骨盤リアライメント効果に関連することが示唆された.骨盤荷重伝達障害の定性的評価法として下肢自動伸展挙上テスト(ASLR test)(Mens 2002)が有名だが、本研究ではこれを定量化した.本研究の問題点として、骨盤アライメントの変化が定量されていない点が挙げられる.以上より、実効筋力測定装置は骨盤荷重伝達障害の定量的評価法として有用であり、また同時に研究仮説は支持されたと結論付けられる.

収録刊行物

  • 理学療法学Supplement

    理学療法学Supplement 2008(0), C3P1362-C3P1362, 2009

    公益社団法人 日本理学療法士協会

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