心理的欲求の充足に基づく顧客満足測定尺度の信頼性と妥当性の検討:―リハビリテーションサービスにおける調査研究―  [in Japanese]

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【目的】近年の保健医療サービスでは顧客満足の向上が重視され,信頼性や妥当性を備えた測定尺度の開発に関する研究が行われている.しかしながら多くの研究において,顧客満足はサービスの質の評価に基づく概念として捉えられており,個人の心理的欲求という視点は見落とされている.心理的欲求は,人間の行動の動機づけに関わる概念である.心理的欲求の充足に基づいて顧客満足を捉えるという考え方は,対象者のリハビリテーション(以下,リハビリ)プログラムへの動機づけを支援する理学療法士にとって意義があると考えられる.本研究の目的は,心理的欲求の充足に基づく顧客満足測定尺度を作成し,その信頼性と妥当性を明らかにすることとした.<BR>【方法】対象:H県内の医療機関7施設および通所リハビリ施設3施設にてリハビリサービスを利用している外来患者187名および利用者63名の計250名.対象者には紙面にて研究の趣旨を説明し,調査の同意が得られた者のみ調査を依頼した.測定項目:顧客満足の下位概念として,「生理的欲求の充足」「担当者との関係性欲求の充足」「参加者との関係性欲求の充足」「自律性欲求の充足」「有能さの欲求の充足」を想定し,下位概念から構成される顧客満足を合計19項目で測定した.また顧客満足の外的基準として,全体的な満足度,施設の継続利用意向,他者への推奨意向をそれぞれ1項目で測定した.統計的分析:顧客満足の因子構造を確認するために,因子分析を行った.信頼性指標の一つである内的一貫性を検討するために,信頼性分析を行いCronbachのα係数(以下,α係数)を求めた.妥当性指標の一つである基準関連妥当性を検討するために,顧客満足得点と外的基準得点の相関分析を行った.<BR>【結果】因子分析の結果,想定された5因子18項目が抽出された.信頼性分析の結果,各下位概念の測定尺度のα係数は.799~.897であった.さらにα係数の変化を参考に3項目を削除した結果,最終的なα係数は.830~.910となった.相関分析の結果,顧客満足得点と各外的基準得点の相関係数は.313~.446であった.<BR>【考察】信頼性指標の一つである内的一貫性はα係数で評価され,許容水準は.700~.800以上といわれている.本研究で作成した下位尺度のα係数は全て.800を上回っていたことから,本尺度の一定の信頼性が証明されたと考えられた.また基準関連妥当性とは,テストの得点がそれとは独立の基準変数とどの程度関連しているかを表す概念である.保健医療サービスにおける顧客(患者)満足測定尺度の基準関連妥当性を検討した先行研究では,外的基準として全体的な満足度,施設の継続利用意向,他者への推奨意向が用いられている.本研究も先行研究の方法に従って相関分析を行った結果,有意な正の相関が認められたことから,本尺度の一定の基準関連妥当性が証明されたと考えられた.

Journal

  • Congress of the Japanese Physical Therapy Association

    Congress of the Japanese Physical Therapy Association 2008(0), G2S2038-G2S2038, 2009

    JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION

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