ナウマン象臼歯化石から抽出したアミノ酸の<SUP>14</SUP>C年代とラセミ化反応

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タイトル別名
  • Radiocarbon age and racemization reaction of amino acids extracted from a Naumann's molar fossil

抄録

宇和海の海底から採取されたナウマン象臼歯化石のアミノ酸のラセミ化率を測定した。臼歯化石からゼラチンコラーゲンを抽出し,加水分解後XAD-2樹脂処理をして純化したアミノ酸集合体成分を誘導体化し,ガスクロマトグラフィーによりアスパラギン酸のD/L比を測定したところ0.128という値が得られた。このD/L比と純化されたアミノ酸集合体成分に対して得られている14C年代(43,870±450 BP)から,4.1℃という平均温度履歴が算出された。約4万年前は氷河期であったために,現在よりも海水面が低く,この試料の採取地である瀬戸内海は陸地であり,ナウマン象などが生育していた。化石骨が陸地の堆積物中に存在していた間は4.1℃以上の温度環境にあったと予想できる。また海底の温度は5℃位と考えられ,ナウマン象臼歯化石から得られた4.1℃という平均温度履歴は,大体妥当であると考えられる。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205732550656
  • NII論文ID
    130004592085
  • DOI
    10.14862/geochemproc.50.0.31.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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