幅関数を用いた洪水流出解析

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抄録

水文データの少ない流域における洪水流出解析手法として,数値標高地図(DEM)から求められる流域の幅関数を用いた流出解析手法の実用性について検討した。この手法では,流域への雨量は保留量曲線を用いて有効降雨と浸透とに分離され,有効降雨は,幅関数に基づいて得られた単位図によって直接流出に,浸透は,線形タンクモデルへ入力されて基底流出に変換され,これらの和が計算流量とされる。この手法を,高知県鏡ダム流域で得られた豪雨時の雨量・流量データに適用し,その実用性について検討した結果,ピーク流量がやや過大推定され,ピーク後の低減が実測値よりも速くなる傾向が見られた。この傾向は,流域を山腹斜面と河道とに区別し山腹斜面における雨水の平均流速を河道よりも小さくすることにより軽減されたが,逆にピーク流量が過小に計算される場合もあり,この手法を適用する際,河道と山腹斜面の区別が問題の一つであることが示された。

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  • CRID
    1390001205712687744
  • NII論文ID
    130004627546
  • DOI
    10.11520/jshwr.18.0.25.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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