睡眠時無呼吸症候群(SAS)と子どもの発達の問題
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- 加藤 久美
- 太田睡眠科学センター 大阪大学連合大学院小児発達学研究科
書誌事項
- タイトル別名
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- Sleep apnea syndrome and child development
抄録
小児の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は成人と異なり,眠気よりも学力低下や,多動性・攻撃性などの注意欠陥/多動性障害(AD/HD)様の認知・行動面の問題が生じやすく,発達に影響を及ぼすとされているが,そのメカニズムはまだ明らかではない。脳に器質的な影響を及ぼすとの報告,全例ではないが OSAS 治療後に落ち着きや集中力などが改善することより,小児 OSAS に対する早期介入が重要であると考えられる。小児睡眠診療では AD/HD,広汎性発達障害(PDD)の発達障害を持つ児の受診が多く,未診断のケースも少なくない。小児睡眠診療を行う上では,発達面に留意して診療を行い,保護者の困り感や,脳波所見など気になる所見がある場合に,小児科や児童精神科,療育センターなどにコンサルテーションできる体制を整えておくべきである。小児 OSAS では,発達面を含めた長期視野でのフォローが重要である。
収録刊行物
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- Pediatric Otorhinolaryngology Japan
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Pediatric Otorhinolaryngology Japan 31 (3), 209-215, 2010
日本小児耳鼻咽喉科学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205464920064
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- NII論文ID
- 130004672176
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- ISSN
- 21865957
- 09195858
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可