金ナノロッドの特徴と分析科学への応用展開

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タイトル別名
  • Characteristics of Gold Nanorods and Their Applications to Analytical Sciences
  • キン ナノロッド ノ トクチョウ ト ブンセキ カガク エ ノ オウヨウ テンカイ

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抄録

棒状の金ナノ粒子である金ナノロッドは,形状異方性に基づく特異な局在表面プラズモン共鳴を示す.特に,長軸方向の自由電子振動に由来する共鳴モードは近赤外域に現れ,ナノロッドの表面近傍には球状ナノ粒子に比べて強い増強電場が発生する.また,共鳴波長は周囲媒体の屈折率変化に極めて敏感にシフトすることから,高感度な屈折率変化の検出にも応用できる.さらに,会合(組織化)状態の違いによる光学特性の変化も,球状ナノ粒子に比べて顕著である.このようなユニークな光学特性は,とりわけ近赤外光を有効活用する新しい技術として,偏光フィルター,エネルギー変換デバイス,各種センシングデバイスなど広範な分野への応用展開が期待されている.本稿では,分析科学的応用という視点から,主として著者らのグループにおける金ナノロッドについての最近の研究成果について概括する.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 63 (7), 551-561, 2014

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (4)*注記

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