粉砕法による経管投与における薬剤量損失に対する簡易懸濁法の有用性についての検討

書誌事項

タイトル別名
  • Utility of simple suspension method compared to loss of drug using crushing method on tube administration

この論文をさがす

抄録

【目的】従来の薬剤経管投与法である粉砕法は薬効の減少につながる薬剤量の損失が指摘されている。そこで粉砕法による薬剤量損失に対する簡易懸濁法の有用性について検討した。【方法】頻繁に粉砕指示がなされる5種類の薬剤を用いて粉砕・分包による薬物含量減少、薬剤調製時の懸濁性および実際の経管投与を想定した薬物含量について2つの方法を比較した。【結果】薬剤を粉砕・分包するとそれぞれの薬物含量は減少した。またワーファリン®錠を粉砕して水に溶解すると完全には懸濁せず、小さな塊が生じたが、簡易懸濁法では均一に懸濁した。ワーファリン®錠の経管投与を想定した実験において粉砕法では薬物含量が大幅に減少したが、簡易懸濁法では、ほとんど損失が認められなかった。【結論】簡易懸濁法は粉砕法に比べて薬剤損失の面で有用性が高いことが示唆され、ワーファリン®錠のように安定性が悪い薬剤では特に適正な薬物投与に貢献出来ると考えられる。

収録刊行物

  • 静脈経腸栄養

    静脈経腸栄養 29 (4), 1027-1033, 2014

    日本静脈経腸栄養学会

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ