骨髄性プロトポルフィリン症の5例

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抄録

1994年3月から1995年3月までの約1年間で当科において4家系5例の骨髄性プロトポルフィリン症(erythropoietic protoporphyria:EPP)を経験した.5例とも光線過敏症があり,また顔面,手背に様々な程度で類円形や線状の瘢痕,色素沈着が認められた.赤血球中のプロトポルフィリン(protoporpyrin:PP)値は,どの症例も高値を示し,正常値の100倍以上の症例も認めた.検査を行い得た全例で,血液塗抹標本で蛍光顕微鏡下にて赤血球自家蛍光を発した.生検を行い得た4例全例で真皮上層の血管周囲にPAS染色陽性,ジアスターゼ抵抗性物質の沈着を認めた.一般に赤血球中プロトポルフィリン値が1,500μg/dl以上の症例では,無症候性に肝機能障害が進行することが知られている.自験5例中3例で肝障害が認められ,その内の1症例では内科にて原因不明の肝炎として治療を受けていた.また3例でプロトポルフィリン値が1,500μg/dl以上であり,肝障害について注意深い経過観察が必要であると考えた.

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