皮膚癌の統計的觀察  [in Japanese]

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最近本邦に於ける國民の平均寿命が著しく延長して来たことは各種の統計の示す所であり,誠に喜ばしい限りである.之は急性慢性の傳染病による死亡と乳兒死亡との減少に原因するものであるが,平均寿命の延長の結果高齢者の人口比率が増加し,從つて所謂老人病が漸く注目されるに至り,心臓血管病並びに癌は益々重要な疾患となつた.皮膚癌はもとより重要な皮膚疾患の1つである.元来,皮膚癌は医師乃至患者自身,その全経過を肉眼的に追求し得,またその臨牀経過と病理組織学的所見との対比研究もより容易であつて,斯くの如き利点を有するが故に,その研究は癌全般の知見を推進するに甚だ役立つものである.近時皮膚癌に対する紫外線の影響が強調されているが,皮膚は外的刺戟を受け易いという特殊な部位である丈けに,職業性その他の種々の刺戟の結果乃至は火傷,外傷の瘢痕から発癌することが少くない.從つて之等の事実は職業医学乃至豫防医学の上で重要である.この様な意味合いから,著者等は過去の病歴より得られた皮膚癌の症例に就き統計的観察を行つた.本統計は標記の如く,金沢大学付属病院皮膚科,同第1外科,同第2外科,富山縣立中央病院皮膚科,富山市民病院皮膚科及び農協高岡病院皮膚科に於ける過去何年か宛の症例の綜合によるものである.從つて本統計により北陸地方に於ける皮膚癌の動態を略々知ることが出来るものと思われる.皮膚癌の統計に関しては,本邦に於ても既に長與敎授,太田敎授等を始めとして幾つかの報告を見るが,以下著者等の成績をそれ等諸家のものと比較しつゝ述べることゝする.

Journal

  • The Japanese Journal of Dermatology

    The Japanese Journal of Dermatology 68(7), 443, 1958

    Japanese Dermatological Association

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