皮膚科領域に於ける自律神経系機能の研究

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著者

抄録

自律神経系は内分泌,精神現象等と相互に密接なる関係を保ちつゝ,あらゆる生体現象を支配している事は周知のところであり,古来,各科領域に於ける疾患の発症に関与する因子として常に問題視されて来ており,皮膚科領域に於いても多数の業績が輩出している.この間,自律神経系機能検査法に関しても今日まで種々の方法が案出提唱されているが,1936年Manoiloffは実験的に交感神経,迷走神経を化学的色彩反応により鑑別し,更に脊髄前根,後根に対しても同反応を行ない両者を区別することに成功し,1940年には血清に於いても交感神経緊張亢進(交感亢)或いは副交感神経緊張亢進(副交感亢)の状態により夫々異つた色彩反応を呈することを証明した.その後,1953年,P.Krollはこの反応の敏感度を高める方法を発表し,本邦に於いても諸家によりこの色彩反応に対する種々の変法が行なわれ,これを数量的に現わす方法が試みられている.勿論この方法も従来のそれと同様,一長一短があり,単独では複雑なる自律神経系機能を正確に,動的に把握することは困難であり,この点は近年に於けるWenger氏測定法の如き所謂因子分析法でも諸種の制約を免れないことが指摘されているが,私は,今回,Manoiloffの原法と光電比色計を用いる方法を対比し,Aschner反応,薬物学的検査法及び直流皮膚電気抵抗値測定を併せて行ない,健常人並びに各種皮膚疾患患者740名に対して,種々の角度から自律神経機能の検索を試み,更に二,三の臨床検査成績との関係,自律神経毒及びその他数種薬剤負荷等によるManoiloff反応の変動等について観察を行なつたのでこゝに報告する.

収録刊行物

  • 日本皮膚科学会雑誌

    日本皮膚科学会雑誌 71(2), 183, 1961

    公益社団法人 日本皮膚科学会

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    130004686028
  • 本文言語コード
    JPN
  • ISSN
    0021-499X
  • データ提供元
    J-STAGE 
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