フォン・ヴィレブランド病の分子生物学的診断と診療への応用

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  • Molecular diagnosis of von Willebrand disease for clinical management

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抄録

要約:フォン・ヴィレブランド病(von Willebrand disease; VWD)は最も頻度の高い遺伝性出血性疾患である.フォン・ヴィレブランド因子(von Willebrand factor; VWF)が量的あるいは質的に欠損することで多様な形式を示す疾患である.1970 年代にVWF が同定され,1985 年にクローニングがなされて以来,VWD およびVWF に対する理解は飛躍的に進歩してきた.近年では分子生物学の進歩により遺伝子解析がすすめられ,病型ごとに責任変異の特定が試みられてきた.これらの成果により,VWD Type 2 および3 では遺伝子診断が病型診断に有用となってきた.とくにType 2 では,重症度の判定や治療への反応の予測にまで応用でき得る状況になってきた.一方,VWD Type 1 は複雑な疾患群であることが明らかになってきた.2006 年にはコホート研究やGenetic linkage and association (GWAS) study,2010 年にはCohort for Heart and Aging Research in Genome Epidemiology (CHARGE) study により,新たな病因が提唱されるに至っているが,まだ遺伝子診断を臨床に応用するには時間が必要であると考えられる.

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