異型ポルフィリン症の1例

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  • A Case of Porphyria Variegata

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抄録

35歳女性。数年前から時々腹痛,嘔気があり,さらに両手背にびらんが多発して出現し前医を受診した。天疱瘡を疑われたが自己抗体は陰性であった。病歴から光線過敏もありポルフィリン症を疑われ,当科を紹介され受診した。初診時両手背に痂皮を伴う丘疹が数ヶ所あり,色素沈着と瘢痕が混在していた。検査では尿中コプロポルフィリン値,尿中ウロポルフィリン値が高値であった。患者末梢血 DNA の遺伝子解析でプロトポルフィリンノーゲン酸化酵素 (protoporphyrinogen oxidase: PPOX) 遺伝子の exon 7 に c.779T>C の変異を同定し,異型ポルフィリン症 (variegate porphyria: VP) と診断した。経過中右頬部に日光角化症を併発し切除術を施行し,現在まで再発は認めていない。我々が開発したプロトポルフィリンIXの吸収波長の最大のピークを含む 405~450nm の波長域の光を吸収する2種類(リキッド+パウダー)のファンデーション剤の組み合わせを使用し光線過敏症状を予防できた。(皮膚の科学,13: 185-188, 2014)

収録刊行物

  • 皮膚の科学

    皮膚の科学 13 (3), 185-188, 2014

    日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会

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