P10-009  Nailfold VideocapillaroscopyにてScleroderma like patternを認めたclinically amyopathic dermatomyositisの一例

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抄録

64歳女性.2014年1月から肘や膝に落屑を伴う紅斑出現,4月から進行する労作時呼吸苦が出現したため精査目的で入院となった.筋痛・筋力低下は認めなかったが,ゴットロン丘疹や手指先端指腹の裂溝を伴う角質化,爪周囲紅斑,毛細血管拡張などの特徴的な皮膚所見およびCTにて両側肺底部から拡がるスリガラス病変を認めamyopathic dermatomyositis(ADM)と診断.急速進行性間質性肺炎を伴うADMに対してステロイド大量,シクロフォスファミドパルス,タクロリムスの3剤併用により救命し得た.一方,入院時施行した爪郭ビデオ顕微鏡(Nailfold Videocapillaroscopy: NVC)検査では強皮症の晩期所見(Loss of capillary,Disorganization of the vascular array,Capillary ramification)を示す指と正常な指が混在していた.強皮症はレイノー症状を特徴としほぼすべての指で特徴的なNVCの異常所見を認め病期を正確に評価できる.一方で皮膚筋炎の手指に特徴的な所見として手指先端指腹の裂溝を伴う角質化や爪周囲紅斑,毛細血管拡張が挙げられる.本症例もそれらの皮膚所見を認め,NVCでは全く正常な所見と進行した異常所見が混在していた.慢性的な血管内皮の増殖や線維化を主体とする強皮症と,リンパ球やマクロファージ浸潤による炎症性の皮膚所見の違いがNVC所見の違いとして現れている可能性がある.本邦ではNVCが導入されていないがこのような所見からNVCが皮膚筋炎診断の一助になりうる.

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