東日本大震災液状化箇所における路面下空洞の特徴と発生メカニズム

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タイトル別名
  • Sub-surface cavities in the liquefied ground caused by the Great East Japan Earthquake

抄録

2011年3月の東日本大震災では,関東地方から東北地方にわたり大規模な地盤災害が発生したが,特に広域な液状化被害が,関東地方の東京湾岸部埋立地や利根川下流の軟弱地盤分布地で発生した。液状化被害の多くは地盤変状など目に見えるものであったが,あまり知られていない被害として道路下に発生した空洞があり,東京湾岸部の液状化地域で186kmの道路に平常時の7倍以上になる709箇所もの空洞が確認された。液状化による空洞は,噴砂に伴う空洞化と破損した下水管等への土砂流出現象等が複合的に関わって発生すると考えられるが,詳細な過程については不明な部分が多い。本研究は,液状化空洞の発生について自治体へのヒアリング,空洞調査結果の詳細な分析および現地検証を行うとともに,土槽実験を用いた液状化再現による空洞発生および拡大メカニズムの検討を行い,「液状化空洞は広がりが大きく薄い形状で,特に噴砂箇所周辺で空洞下部に緩みを有し,埋設管の位置により地盤の乱れが異なる。いずれも空洞補修の際には緩み部まで対処が必要。」という結論を得た。また,検討結果と震災後緊急対応として多数の空洞を補修した自治体の実態を踏まえ,大規模な地震発生で再発が懸念されている再液状化への対応について考察し,今後の路面陥没未然防止対策に資する道路保全技術について,現在の知見を取りまとめた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205258560384
  • NII論文ID
    130004695370
  • DOI
    10.3208/jgs.9.323
  • ISSN
    18806341
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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