腹腔鏡下穿孔部縫縮術が有用であった小児十二指腸潰瘍穿孔の1例

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  • A case of duodenal ulcer perforation in a 10-year-old child treated by laparoscopic surgery

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抄録

小児の十二指腸潰瘍穿孔に対して,腹腔鏡下手術を選択し良好に経過した1例を経験したので報告する.症例は10歳,男児.某年5月に突然発症した心窩部痛を主訴に紹介医を受診.超音波検査で右下腹部に腹水を認め,消化管の穿孔による腹膜炎が疑われ当院に紹介された.腹部CTで十二指腸球部周囲の腹腔内遊離ガス像を認め,上部消化管穿孔と診断し,緊急手術を施行した.腹腔鏡下手術を行い,十二指腸球部前壁に径3mmの穿孔を認め,穿孔部縫縮術と大網被覆術を施行した.術後の経過は良好であり,第8病日に退院した.入院時の検査で血清中の抗H.pylori-IgG陽性であり,退院後に内服によるH.pylori除菌療法を施行した.小児の十二指腸潰瘍穿孔例の報告は少なく,腹腔鏡下穿孔部縫縮術の報告は自験例を含め5例に過ぎない.われわれが成人に施行している腹腔鏡下手術と同様に加療可能であり,小児にも低侵襲で有用であった.

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