左母趾を温存して原発巣を切除した左足底悪性黒色腫の1例

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  • Acral lentiginous melanoma resected with salvage of hallux

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抄録

70歳代,男性。2,3年前左足底に黒色斑が出現した。初診時,左足底母趾基部に20×18mm大の色調不均一な黒色斑があり,その近傍に小黒色斑を二つ有し,主病変の皮表は過角化を来たしていた。左鼠径部に固い皮下腫瘤を二つ触れ,PET-CTでは左鼠径リンパ節転移が疑われた。衛星病巣,左鼠径リンパ節転移を伴う左足底悪性黒色腫と診断し,原発巣,衛星病巣をマージン1~2 cmで切除した。右足底からの植皮で再建し,同時に左鼠径リンパ節郭清を行った。原発巣は足底腱膜を含めて切除したが,足底腱膜直上に腫瘍胞巣がみられたため,後日長母趾屈筋腱の上層を追加切除した。なお,左鼠径リンパ節は5/19で陽性であった。術後はDAV-feron療法を5クール行い,経過観察中であるが,初回手術20ヵ月後の現在,局所再発および遠隔転移を認めていない。手指足趾の同症では,深部マージンが問題となるが,自験例は母趾切断を行わずに必要最小限の切除にとどめている。

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