幕末期(1859~1862年)のロシア領事館における気象観測記録と気象庁データの均質化にもとづく函館の気温の長期変動

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書誌事項

タイトル別名
  • Temperature Variability in Hakodate Based on the 19th Century Meteorological Records Taken at the Russian Consulate and the Data from Japan Meteorological Agency

抄録

小氷期の末期にあたる江戸時代後期には,まだ気象庁による公式の気象観測が開始されていなかったため,気象庁のデータは当時までさかのぼることができない。一方で,幕末期の函館において1859~1862 年の4年間にわたり,ロシア領事館付のロシア人医師アルブレヒトが気象測器を使用した観測記録が残存していることが分かった。この幕末期の気象観測データは,現在の函館地方気象台のデータとは観測地点や観測頻度が異なるため,その差を補正するために気温データについて均質化を実施した。幕末期の函館の気温を20 世紀の函館地方気象台の気温と比較したところ,暖候期の低温と寒候期の高温傾向がみられた。その要因として,幕末期の観測地点が,現在より海洋性の性質を示すことから,海風の影響を受けやすかったと考えられる。また,幕末期の年平均気温は,函館の最近30 年間の平年値よりも約2.0℃低く,その寒冷な傾向は幕末期から20 世紀初頭まで継続していた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680438117120
  • NII論文ID
    130004698107
  • DOI
    10.7886/hgs.89.20
  • ISSN
    21865450
    18822118
  • HANDLE
    20.500.14094/90005686
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • Crossref
    • CiNii Articles
    • KAKEN
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