幕末箱館における五稜郭および元陣屋の景観復原  [in Japanese] Reconstructing of Historical Landscape of Military Camps Made in Hakodate, Ezo Province about the Half of Nineteenth Century  [in Japanese]

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Author(s)

    • 平井 松午 HIRAI Shogo
    • 徳島大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部 Institute of Socio-Arts and Sciences, The University of Tokushima

Abstract

幕末の開国政策を背景に,第二次幕領期(1855 ~1868 年)に東北6 藩および松前藩が江戸幕府より蝦夷地の分担警衛を命じられた。これら諸藩は,蝦夷地ならびに国後・択捉・樺太の合計22 ヵ所に軍事拠点となる陣屋を建設するとともに,数十~数百人単位で藩兵を各地の陣屋に派遣した。その一方で,蝦夷地支配の中核機関であった箱館奉行所も,1857(安政4)年には箱館市街地の守衛に備えて市街地郊外に五稜郭の建設を開始した。 五稜郭や陣屋遺構の一部については国史跡などに指定され,それらについては今日でも空中写真や地図で確認できるが,一部の陣屋については市街地化や施設建設に伴って遺構が消滅し,五稜郭も建設当時とはその様相を大きく変えている。そこで本稿では,箱館近在に建設された五稜郭,遺構が確認できない弘前藩元陣屋(千代ヶ台陣屋)・盛岡藩元陣屋(水元陣屋)を取り上げ,建設時に作成された絵図面などを用いて,GIS ソフト上で建設当時におけるこれら防御的施設の復原作業を行った。 その結果,建設当時の五稜郭の形状や元陣屋の位置・縄張りを示した実測絵図「箱館亀田 一円切図〔人〕」(函館市中央図書館蔵)・「箱舘表之図 一」(盛岡市中央公民館旧蔵)をもとに,元陣屋の位置を比定することができた。また,絵図面に記載された地理空間情報をGIS データ化することで,五稜郭や元陣屋における建設当時の三次元景観復原や,さらにはデータソースが異なる絵図情報の一元化が可能となった。このことは,古地図・絵図のGIS 分析が,歴史地理学的命題の解決に向けてより有効な手段となりうることを示すとともに,他の陣屋の復原に際してもそうした手法が援用できるものと考える。

Journal

  • Geographical Studies

    Geographical Studies 89(1), 26-37, 2014

    The Hokkaido Geographical Society

Codes

  • NII Article ID (NAID)
    130004698108
  • Text Lang
    JPN
  • ISSN
    1882-2118
  • Data Source
    J-STAGE 
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