都市部における体験農園経営の立地と利用者需要:-東京都内を対象とした実証分析-  [in Japanese] Site Location and Demand for the Farm Experience Business in Urban Areas:An Empirical Analysis in Tokyo Metropolis Prefecture  [in Japanese]

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本稿において体験農園経営とは,農園の開設者(農業経営者)が料金を徴収して,一般市民(利用者)に農作業の一部を体験してもらう経営形態で,農地の肥培管理が行われ,作付計画,栽培計画の責任や収穫物の処分権が開設者側にあるものを指す。利用者は,経営者による栽培講習を受けながら農作業を体験し,収穫物を受け取る。市民農園との大きな違いは,農地の市民への貸出しではなく,農業経営の一形態として定義される点にある。そのため,生産緑地における体験農園は,相続税猶予制度の対象となり,長期的保全が可能となる。また,農業経営者によって農地が一体的に管理されるため,維持管理や景観上の問題が生じにくいというメリットがある。生産緑地に指定された農地は,税の優遇や転用規制によって,適正な保全が図られる。さらに,体験農園は,自治体による公認(体験農園として指定)や,助成金の支出,市報・区報での募集がなされるなど,公共的施設としての側面も持つ。したがって,その配置においても,一定の計画性が求められる。体験農園の計画的な配置においては,緑地やレクリエーション空間としての都市計画的視点に加え,需要(利用者数)と用地の調達(農地面積)のトレードオフという経営立地の視点からも検討がなされる必要がある。すなわち,農地が豊富な,人口密度の低い地域においては,利用者の確保が課題となる。たとえば,10haの一団の農地が存在するような立地では,およそ半径180m(180m×180m×π=10ha)には住宅が存在せず,この範囲において近隣住民の利用が一切見込めない。逆に,体験農園の運営には一定面積の農地が必要となるため,住宅密集地域には立地しにくい。たとえば,10a程度の圃場では,30m2の利用者区画を30区画程度しか確保できず,加えて,利用者のための設備や育苗圃の確保も難しい。既往研究には,体験農園経営の経営実態や収益性を明らかにしたものや,体験農園の利用者属性や意向の把握を行った研究がある。また,市民農園を対象として,表明選考法により需要関数を推計した研究や,農業観光施設や農産物直売所を対象として,トラベルコスト法により需要関数を推計した研究もみられる。しかし,農地が限られる都市部において,空間的にみていかに体験農園経営が立地しうるか,という計画論的課題については,これまで十分に検討されていない。そこで本稿では,体験農園利用者を対象としたアンケート調査を用いて,各利用者の来園範囲から実証的に利用者数を推計し,さらに,体験農園経営の立地(地域の農地面積・世帯数)と利用者需要との関係について,空間的視点から検討を試みる。これらの検討結果は,都市計画的視点からの分析(たとえば都市緑地の最適配置)と比較検討することにより,計画実務においても応用可能となると考えられる。

The relation of site location and demand for the farm experience provided by urban farms is examined with the combination of questionnaire survey to the plot users and Small Area (Cho and Aza) Statistics of Population Census in Japan. Observation shows most users reside within 2km distance from the plots. The result of the log-linear estimation indicates that about 0.5% users are expected from the total residents live within 250m distance. Competition with closer sites reduces the demand for distant one although no such relation with adjacent allotment gardens was found.

Journal

  • JOURNAL OF RURAL PLANNING ASSOCIATION

    JOURNAL OF RURAL PLANNING ASSOCIATION 32(Special_Issue), 323-328, 2013

    THE ASSOCIATION OF RURAL PLANNING

Codes

  • NII Article ID (NAID)
    130004705531
  • NII NACSIS-CAT ID (NCID)
    AN00386889
  • Text Lang
    JPN
  • Article Type
    journal article
  • ISSN
    0912-9731
  • NDL Article ID
    025018873
  • NDL Call No.
    Z18-1918
  • Data Source
    NDL  J-STAGE  JASI 
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