肩関節疾患でなぜ屈曲より外転をしづらいか
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抄録
肩疾患では屈曲と比べ外転しづらい.本研究の目的は屈曲と外転を比較することである.健常者11名22肩を対象とし,三次元動作解析を用い安静下垂位から屈曲・肩甲骨面挙上・外転し,上腕外旋角度,水平肩甲上腕角度,肩甲骨内旋角度を算出した.屈曲の上腕外旋角度は55°であり直線的に増加し,外転では挙上初期から外旋角度が大きく100°まで屈曲より多かった.屈曲では肩甲骨はまず内旋しその後外旋したが,外転は常に外旋した.水平肩甲上腕角度は外転で常に大きい.肩甲骨の外旋制限のある肩関節疾患では外転しづらい.屈曲では僧帽筋を弛緩し前鋸筋を収縮するが,外転では両筋を同時に収縮させる.棘下筋・小円筋も外転では筋長の短い状態での筋収縮が必要である.屈曲に対し外転は,(1)挙上初期から上腕外旋角度が大きく,(2)肩甲骨は常に外旋し,(3)水平肩甲上腕角度は常に大きい.
収録刊行物
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- 肩関節
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肩関節 38 (3), 758-761, 2014
日本肩関節学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679735260416
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- NII論文ID
- 130004705591
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- ISSN
- 18816363
- 09104461
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可