B型・D型肝炎ウイルス重複感染による肝障害に対してペグインターフェロンが有効であった1例

• 日下部 篤宣

  名古屋第二赤十字病院消化器内科

• 田中 靖人

  名古屋市立大学大学院医学研究科病態医科学

• 飯尾 悦子

  名古屋市立大学大学院医学研究科消化器・代謝内科学

• 村上 周子

  名古屋市立大学大学院医学研究科病態医科学

• 松浦 健太郎

  名古屋市立大学大学院医学研究科消化器・代謝内科学

• 新海 登

  名古屋市立大学大学院医学研究科消化器・代謝内科学

• 宮木 知克

  豊川市民病院消化器内科

• 藤原 圭

  名古屋市立大学大学院医学研究科消化器・代謝内科学

• 野尻 俊輔

  名古屋市立大学大学院医学研究科消化器・代謝内科学

• 折戸 悦朗

  名古屋第二赤十字病院消化器内科

• 城 卓志

  名古屋市立大学大学院医学研究科消化器・代謝内科学

書誌事項

タイトル別名

• A case of a HBV carrier with HDV superinfection treated by PEG-IFN
• 症例報告 B型・D型肝炎ウイルス重複感染による肝障害に対してペグインターフェロンが有効であった1例
• ショウレイ ホウコク Bガタ ・ Dガタ カンエンウイルス チョウフク カンセン ニ ヨル カン ショウガイ ニ タイシテ ペグインターフェロン ガ ユウコウ デ アッタ 1レイ

抄録

症例は26歳，女性のモンゴル人．既往歴としてB型慢性肝炎を認める．今回，健診にて肝機能障害を指摘され，B型慢性肝炎急性増悪の診断で当科紹介となる．来院時採血で更に肝障害増悪を認めたが，HBV-DNA量は2.8 log copy/mLと低値だった．また他のウイルス感染やAIH，PBCも否定的だった．妊娠中と判明したため無治療で経過観察したところ，肝障害は徐々に自然軽快し，妊娠39週で出産した．出産後もHBV-DNA量上昇は認めず，肝障害は更に改善したが，出産から9カ月後に再度肝障害増悪を認めた．この段階でD型肝炎ウイルス（HDV）の重複感染を考え，保存血清を用いてHDV-RNAを検査したところ陽性と判明し，HBVキャリアに対するHDV重複感染と診断した．Peg-IFNα-2aの投与を開始したところ，肝障害は改善し，治療中のHDV-RNAも陰性化した．日本においてHDV感染は稀な疾患であるが，HBV-DNA量の増加を伴わないB型慢性肝炎急性増悪症例に遭遇した場合には，HDV重複感染を念頭に置くべきと思われた．

収録刊行物

• 肝臓

  肝臓 55 (11), 653-660, 2014

  一般社団法人　日本肝臓学会

キーワード

• D型肝炎
• Peg-IFN
• 重複感染

詳細情報

• CRID: 1390001204792960512
• NII論文ID: 130004705844
• NII書誌ID: AN00047770
• DOI: 10.2957/kanzo.55.653
• ISSN: 18813593
• ISSN: 04514203
• NDL書誌ID: 025931589
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I025931589
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/kanzo/55/11/55_653/_pdf
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2015059750
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
  • KAKEN
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可