詳細な画像検討を施行した肝原発神経内分泌腫瘍の一切除例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of primary hepatic neuroendocrine tumor which underwent a detailed image examine
  • 症例報告 詳細な画像検討を施行した肝原発神経内分泌腫瘍の一切除例
  • ショウレイ ホウコク ショウサイ ナ ガゾウ ケントウ オ シコウ シタ カン ゲンパツ シンケイ ナイブンピ シュヨウ ノ イチ セツジョレイ

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抄録

症例は57歳女性.検診で肝腫瘤を指摘された.腹部CT,MRIで血管腫と診断したが,増大傾向を認めたため入院した.肝胆道系酵素,腫瘍マーカーの上昇は認めず,肝炎ウイルスは陰性であった.腫瘤はUSで不均一な低輝度,単純CTで低吸収,造影CTにて辺縁優位に濃染,MRIではT1強調像で低信号,T2強調像で内部に不均一な低信号を伴う高信号,肝細胞相では低信号となった.Single-level dynamic CT Angiography(CTA)ではリング状濃染を認め,造影効果は持続した.腫瘍内部は早期から濃染され速やかに消褪し,後期相では低吸収となった.診断に難渋したため肝腫瘍生検を施行した.その結果,免疫組織化学的にNCAM,chromogranin A,synaptophysinは陽性であり神経内分泌腫瘍と診断した.上部,下部消化管内視鏡検査,PET-CTも施行したが肝以外に異常所見を認めず,肝原発神経内分泌腫瘍と診断し,外科的切除を施行した.肝原発の神経内分泌腫瘍は非常にまれな疾患であるが,詳細な画像検査を施行し,若干の文献的考察を加え報告する.

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 55 (11), 690-697, 2014

    一般社団法人 日本肝臓学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (4)*注記

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