外部情報を用いた学習のための診療文書のランキング

DOI
  • 鶴岡 誠子
    京都大学 大学院情報学研究科
  • 岡本 和也
    京都大学 大学院情報学研究科 京都大学医学部附属病院 医療情報企画部
  • 竹村 匡正
    兵庫県立大学大学院 応用情報科学研究科
  • 粂 直人
    京都大学 大学院情報学研究科
  • 黒田 知宏
    京都大学 大学院情報学研究科 京都大学医学部附属病院 医療情報企画部
  • 吉原 博幸
    京都大学 大学院情報学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Medical Document Ranking Useful to Study Using External Information of the Documents

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抄録

診療文書の検索システムが求められている一方で,検索システムはほとんど利用されていない.その要因として,ランキングの質がユーザのニーズを満たしていないことが考えられる.京都大学医学部附属病院で実施されたアンケート調査により,検索システムを利用した学習へのニーズが高いことが分かっている.したがって,学習に役立つ診療文書が上位となるランキング手法が必要である.Webページの検索では,ハイパーリンク構造等の外部情報を用いることで文書への評価をランキングに反映している.診療文書でも同様に外部情報を用いることで目指すランキングを実現できると考えた.本研究では,代表的なWebページのランキング手法の一つであるHITSを応用し,閲覧履歴を利用したランキング手法を提案した.提案手法の評価実験には京都大学医学部附属病院の実データを用いた.学生を指導する立場にある医師に診療文書の採点を依頼し,評価用のデータを作成し,17人の臨床実習生に学習目的で診療文書を閲覧するタスクを課し,閲覧履歴の収集を行った.また,彼らに対してアンケートを行い,評価用のデータを作成した.そして,収集した閲覧履歴を用いて提案手法により求めた重要度と評価用のデータとの比較評価を行った.評価実験の結果として,提案手法による重要度評価の有効性は示されなかった.しかし,ユーザの文書への評価は重要度に反映されていることが分かった.提案手法によるランキングがユーザの評価を反映していることが確認できた.

収録刊行物

  • 医療情報学

    医療情報学 33 (3), 151-159, 2013

    一般社団法人 日本医療情報学会

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