早産児の栄養, 身体発育と中枢神経の発達について

  • 早川 昌弘
    名古屋大学医学部附属病院 周産母子センター

書誌事項

タイトル別名
  • Nutrition, growth and neurophysiological maturation in very preterm infants

抄録

適切な栄養管理を行うことは, 胎児, 新生児にとって重要であるが, 時に, 母体合併症や新生児期の疾病により, 栄養管理に難渋することがある. 胎児期-新生児期の栄養は, 児の中枢神経発達に重要な役割を果たしており, 適切な栄養が供給されないと身体発育が抑制されるばかりでなく, 中枢神経発達にも悪影響が及ぶことが知られている. 一方, 新生児脳波は, 発達過程における中枢神経の機能的評価が行える検査であり, 特に経時的脳波記録を行うことで, 受傷時期の推測や脳成熟の評価が可能である. われわれは, 新生児脳波を用いて, 子宮内発育不全 (胎児発育不全) および子宮外発育不全 (出生後の発育不全) における中枢神経成熟評価を行い, いずれの場合も, 経腸栄養の確立, 身体発育が中枢神経成熟と関連があることを明らかにした. 周産期の栄養障害と発達予後との関連については, 広く研究が行われているが, 新生児脳波を用いた電気生理学的検討は, その病態解明に有用であると思われる.

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参考文献 (25)*注記

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