3次元浸透流解析による地すべり地の地下水のモデル化方法と移動機構の検討

  • 藤田 重敬
    国土交通省北陸地方整備局金沢河川国道事務所(現職:同整備局富山河川国道事務所)
  • 安達 忠浩
    国土交通省北陸地方整備局金沢河川国道事務所
  • 倉岡 千郎
    日本工営株式会社中央研究所
  • 牧野 孝久
    日本工営株式会社中央研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Three dimensional modeling of groundwater for assessment of mechanisms of landslide movements
  • 3次元浸透流解析による地すべり地の地下水のモデル化方法と移動機構の検討 : 甚之助谷地すべりを例として
  • 3ジゲン シントウリュウ カイセキ ニ ヨル ジスベリチ ノ チカスイ ノ モデルカ ホウホウ ト イドウ キコウ ノ ケントウ : ジンユキジョ ヤチスベリ オ レイ ト シテ
  • -An example of the Jinnosuke-dani landslide in Ishikawa Prefecture, Japan-
  • -甚之助谷地すべりを例として-

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抄録

地すべり地における地下水位の分布型解析モデルは,観測地下水位を再現できることが望ましい。ただし,地すべり地の水理機構は,空間・時間的に不均質・不規則であるため,地下水位の時間変化を予測できるようなモデルを構築することは容易でない。本稿で取り上げる甚之助谷地すべりでも,約20孔の観測地下水位の時間変化は一見して不規則である。しかし,地下水位の時間変化のパターンを調べると融雪・降雨期の水位の時間変化に類似性を示す観測地下水位が認められた。水位の時間変化にバラツキの多い場合でも類似した観測水位が複数あれば,その水位は実際の地下水挙動を反映している可能性がありモデル構築の上で有益である。さらに本事例では,類似性のある複数の地下水位と変位(孔内伸縮計)に相関性があることから,観測孔の周辺の地下水が変位に影響を与えている可能性が示唆された。次に3次元浸透流解析により観測地下水位を再現した結果,変位の発生に関与している地下水が分布している領域が推定された。本稿は,3次元浸透流解析により変位に影響を与えている地下水の流動機構を裏付けることができる可能性を示したものである。

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

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