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- 齋藤 光正
- 九州大学大学院医学研究院細菌学分野
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- Sharon Y. A. M. Villanueva
- 九州大学大学院医学研究院細菌学分野
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- 増澤 俊幸
- 千葉科学大学薬学部免疫微生物学
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- 柳原 保武
- 千葉科学大学薬学部免疫微生物学 フィリピン大学公衆衛生学部医学微生物学 静岡県立大学名誉教授
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- 吉田 眞一
- 九州大学大学院医学研究院細菌学分野
書誌事項
- タイトル別名
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- Leptospirosis now—the centennial of the discovery of Weil’s disease pathogen
- レプトスピラ感染症 : ワイル病病原体発見から百年
- レプトスピラ カンセンショウ : ワイルビョウ ビョウゲンタイ ハッケン カラ ヒャクネン
- ~ワイル病病原体発見から百年~
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抄録
1914 年, レプトスピラがワイル病病原体として稲田龍吉, 井戸泰らによって発見されて, 本年でちょうど百年目を迎えた。レプトスピラ感染症は世界中に広く分布する人獣共通感染症である。わが国においては, 患者数は激減したが, この主たる理由は, 衛生環境が改善し, 農業の機械化, 作業者の長靴, 手袋着用など, 経皮感染の機会が減少したためであるが, 今日でもレプトスピラに感染する機会が決してなくなったわけではない。私達は新規に5 種類の選択剤を組み合わせて既存のレプトスピラ培地に添加して培養することにより, レプトスピラの増殖には影響を及ぼすことなく他菌の増殖を抑制できることを見出した。この方法を用いて環境中のレプトスピラの分離を試みた結果, レプトスピラは環境水, 土壌に広く生息しており, その中には病原性レプトスピラも含まれていることが明らかになった。このように環境中のレプトスピラのエコロジーが明らかになるにつれ, 土壌はレプトスピラのreservoir であり, 重要な感染源である可能性が出てきた。本稿ではこのほかに, 感染症流行国のフィリピンにおける野生ラット分離株とヒト臨床分離株の解析, 感染時の侵入門戸における宿主側の防御機構の解析, 主症状の一つである黄疸発症のメカニズムの解析, 尿中抗原迅速検査法の開発など, 我々のプロジェクトの成果を含め, レプトスピラ感染症に関する発見の歴史から最近の知見までを概説する。
収録刊行物
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- 日本細菌学雑誌
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日本細菌学雑誌 69 (4), 589-600, 2014
日本細菌学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282681433021056
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- NII論文ID
- 130004713723
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- NII書誌ID
- AN00189800
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- ISSN
- 18824110
- 00214930
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- NDL書誌ID
- 026233680
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- PubMed
- 25447984
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- PubMed
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可