ブルー・オパールの変色について

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タイトル別名
  • On the change of color of blue opal

抄録

ブルー・オパールは大変綺麗な色調であり,人気のある宝石の一つである。その中に変色するものがあったので、その原因について報告する。<br> この変色は、標本ケースに入れた状態で生じており、ケース内部が青色になってしまっていることから、オパールから染み出てきたことによることは明らかである。そこで、変色した標本について、X線粉末回析実験とエルギー分散型EPMA により化学組成の分析を試みたので、それらの結果を報告する。<br> (1)X線粉末回折実験<br> 装 置<br> ・リガク製X線ディフラクトメータ RINT ULTIMA3<br> 条 件<br> ・X線源:Cu Kα<br> ・電圧/電流:40kV / 20mA<br> 結 果<br> 非晶質のシリカの回折パターンを示す。いわゆるOpal-CTである.<br> (2)エルギー分散型EPMA<br> 装 置<br> ・日本電子製JSM-6360 + OXFORD製INCA EDS<br> 条 件<br> ・加速電圧:15 kV<br> ・測定範囲:20 mm<br> ・積算時間:60 sec<br> 結 果<br> 銅と塩素が検出された.<br> 以上の結果から,青緑色を呈する塩化銅(Ⅱ)のニ水和物によって着色されたオパールと思われる。 なお、無水の塩化銅(Ⅱ)は黄褐色である。<bR> 流通しているブルー・オパールのネックレスで、身に着けている間に黄色に変色した報告もある。これは,塩化銅(Ⅱ)のニ水和物が脱水して無水になったためと考えられる。塩化銅が人為的に含浸させたものかどうかは不明であるが、流通しているブルー・オパールの取扱いには注意が必要である。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205595495296
  • NII論文ID
    130004729824
  • DOI
    10.14915/gsj.34.0.6.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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