イマチニブで長期病勢コントロール中の再発消化管間質腫瘍に胃癌を発症した1例

  • 宇野 太
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器外科学
  • 岸本 浩行
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器外科学
  • 香川 俊輔
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器外科学
  • 藤原 俊義
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器外科学

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Gastric Cancer with Stable Disease Controlled Recurrence of Gastrointestinal Stromal Tumor with Imatinib

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抄録

症例は81歳女性で,当院で同時性肝転移を伴う胃の消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumor:GIST)に対し,胃局所切除と肝切除が施行されていた.その後術後8カ月で肝転移再発し,イマチニブ投与され4年間病勢コントロールされていたが,胃癌を発症し胃全摘術施行した.病理結果では高分化型腺癌とともに局所再発と思われるGISTも併存していた.胃全摘1カ月後からイマチニブ投与を再開し,現在外来通院にて経過観察中である.当院での胃癌切除症例の685例のうち切除胃に同時性GISTを指摘した症例が11例(1.6%)あったが,胃GIST術後再発加療中に胃癌を発症した例は初めて経験した.しかし切除不能再発GISTもイマチニブなどの分子標的薬出現により長期の生存が期待されることを考えると,再発GIST症例においても2次癌を念頭においた慎重な経過観察が重要であると思われる.

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