胆道癌に対する肝移植

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  • Liver Transplantation for Cholangiocarcinoma

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抄録

胆道癌に対する肝移植の良好な成績が欧米を中心に報告されつつある.歴史的に胆道癌に対する肝移植は,移植後早期に再発し予後不良で,胆道癌は肝移植の相対的禁忌とされてきた.しかし,最近の報告では症例の厳密な選択は必要であるが,術前補助化学放射線療法と肝移植により,移植後5年生存率は70%前後と他疾患のものと遜色ない.我が国では慢性的な脳死ドナー不足から,肝癌ではミラノ基準内のみが脳死肝移植の適応とされており,胆管癌に対して肝移植を施行する場合,生体肝移植が必要である.原発性硬化性胆管炎に胆管癌を合併する事が多いが,生体肝移植後は脳死肝移植に比べ原発性硬化性胆管炎の再発が多く,胆管癌に対して生体肝移植を積極的に行うべきか,今後議論を重ねる必要がある.本稿では,胆道癌に対する肝移植に関する最近の欧米からの報告のレビューと自験例の検討から,胆道癌の治療としての肝移植の位置づけについて概説する.

収録刊行物

  • 胆道

    胆道 28 (5), 756-762, 2014

    日本胆道学会

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