歯周基本治療および歯周外科治療前後における臨床パラメーターと アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ量の比較検討

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  • Comparison of the levels of aspartate aminotransferase and clinical parameters pre- and post-initial therapy and periodontal surgery

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抄録

アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)は,組織傷害時に放出されるため,歯肉溝滲出液(GCF)中の AST 量を測定することで,疾患活動度の判別が可能である。そこで,歯周基本治療と歯周外科治療(エムドゲイン®ゲルを用いた歯周組織再生療法)前後に Periodontal Tissue Monitor(PTM)キットを使用して GCF 中の AST 量(PTM 値)を測定し,probing pocket depth(PPD),clinical attachment level(CAL)および bleeding on probing(BOP)との関係を検索した。歯周基本治療後に 38 部位中 22 部位で PTM 値が改善し,PPD は 22 部位中 20 部位,CAL は 15 部位,BOP は 21 部位で改善または変化しなかった。歯周外科治療後に PTM 値が改善した 42 部位中,PPD は 39 部位,CAL は 32 部位で改善し,BOP は 41 部位で改善または変化がなかった。歯周外科治療後に PTM 値が改善した 42 部位では,平均 PPD と CAL が有意に減少したことから,PTM 値の改善部位は,PPD の減少と付着の獲得が得られる確率が高く,付着の獲得量が大きいほど歯周外科治療後の PTM 値が改善することが示された。以上の結果から,GCF 中の AST 量を臨床評価に応用することは,歯周病の予後判定に有用であると考えられた。 日本歯周病学会会誌(日歯周誌)56(4):390-398,2014

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