上顎第2大臼歯と第3大臼歯の癒合歯の組織学的ならびに分析学的検討

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Histological and Analytical Study of the Fused Tooth of Upper Second Molar and Third Molar

この論文をさがす

抄録

癒合歯は下顎前歯部に多いと報告されている。今回、上顎右側第2大臼歯と第3大臼歯の癒合歯の症例を報告する。その癒合歯の組織構造、化学組成と発生過程を検索する目的で本研究を行った。26歳の男性の症例であり、上顎右側第2大臼歯と第3大臼歯の癒合歯である。第2大臼歯の歯冠部の形態は正常であり、その歯根部で癒合している第3大臼歯の歯冠はエナメル滴様の形態であった。第3大臼歯の歯髄腔内にエナメル質が観察された。エナメル小柱の配列は不規則で、その横断形は鱗状であった。X線分析顕微鏡像では歯髄腔内のエナメル質は正常なエナメル質より透過性が高く、Pの濃度分布が低かった。球間象牙質が顕著に観察された。第2大臼歯と第3大臼歯の境界部では脈管象牙質が観察された。第3大臼歯の歯冠形成の初期の段階で第2大臼歯と癒合したと考察される。

収録刊行物

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ